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検索もコンサルもAIに奪われる中、人間が選ばれる理由を考える

AIが正解を配る世界で、問いと物語を武器にする

AIで“正解”がすばやく手に入るいま、どう価値を生み出し、どう生き残ればいいのか。価値の源泉は「問いの設計」と「別解の提示」、そして「物語で人を動かす力」だと考えています。

検索やSEOの変動、コンサル業界の減速、任天堂/Airbnbの“ズレ→別解”の実例から、個人と組織のふるまいについて考察しました。

ポッドキャストでは、ニュースの背景や文字で伝えづらい内容や、独自トピックを解説しています。最新エピソードはこちらからご覧いただけます(YouTubeApple PodcastsSpotify)。


⏱ チャプター

  • 00:00 はじめに

  • 01:47 仕事でのAI活用

  • 04:00 ニュースサイトの現状

  • 09:00 AIによる情報のコモディティ化

  • 12:06 独自の視点の必要性

  • 14:02 任天堂の事例

  • 17:44 エアビーの事例

  • 21:00 独自の視点を持つ方法

  • 23:46 まとめと結論


サマリー

00:00 はじめに

  • テーマ:AIが“もっともらしい正解”を量産する時代に、どこで差がつくか。

  • 収録環境メモ:Roomを使用。

01:47 仕事でのAI活用

  • リサーチ/要約/壁打ちでの生産性は上がるが、出力が没個性になりがち。

  • “AIで書いた感”をどう超えるかが、発信者/コンサル/リサーチ職の死活問題。

04:00 ニュースサイトの現状

  • ゼロクリック化の伸長:Googleが2024年5月にAI Overviewsを投入後、ニュース検索の無クリック率が56%→約69%(2025年5月)。オーガニック訪問は2.3B→<1.7Bへ減少(Similarweb集計)。 (TechCrunch)

  • 同趣旨の整理(日本語):AIプラットフォームからのリファラルは伸びるが、検索減少は埋め切れず。検索リファラル120億→112億(前年比▲6.7%)。 (DIGIDAY[日本版])

  • AI Overviewsの正式展開(’24年5月→その後拡大)はGoogle公式にも記載。 (blog.google)

09:00 AIによる情報のコモディティ化

  • 「正解を並べるだけ」は差別化にならない。

  • ただしAI由来トラフィック自体は伸長(ChatGPT経由のニュース流入は25倍化など)。“SEO一極”から“AI+直結導線”への再設計が要る。 (TechCrunch)

12:06 独自の視点の必要性

  • 問いを変えると出力が変わる(一般論→具体の落とし穴へ)。

  • 人の意思決定は感情に強く依存:ダマシオのソマティック・マーカー仮説など、感情が意思決定に不可欠という知見。 (Frontiers)

  • 物語の説得効果:弱い事実×物語>弱い事実単体(一方で強い事実は事実単体のほうが効く)という実験結果。伝え方を“設計”する。 (spsp.org, pdarrington.net)

14:02 任天堂の事例(ズレ→別解)

  • 花札/トランプのコモディティ化を前提崩し。60年代にタクシー/即席食品/(諸説あるが)ラブホテルなど“異質”に手を出し、試行錯誤から玩具→電子玩具→ビデオゲームへ。ズレの連続検証が別解に昇華。 (Business Insider, WIRED)

17:44 エアビーの事例(ズレ→別解)

  • 2007年、会議でホテル満室という“現実の摩擦”に自宅でエアマットという非常識解を小さく検証—Air Bed & Breakfastへ。需要の核に接続し、市場化。 (Knowledge at Wharton)

21:00 独自の視点を持つ方法(実務メモ)

  1. 前提を疑う:「普通は〜」を解体(任天堂:カード会社のままで良いのか?/Airbnb:宿はホテルであるべきか?)。 (Business Insider, Knowledge at Wharton)

  2. 異質を持ち込む:他業界のロジックを移植(玩具×電子/住宅×プラットフォーム)。 (Business Insider, Knowledge at Wharton)

  3. 検証可能に落とす:試作品/小実験で仮説を潰す(Ultra Hand→電子玩具、エアマット3台)。 (Business Insider, Knowledge at Wharton)

  4. 文脈に接続:普遍需要や当面の需給ひっ迫へ“翻訳”。 (Knowledge at Wharton)

  5. 習慣化:毎日「逆だったら?」を1問—問いの筋トレ。

23:46 まとめと結論

  • AI=正解係/人間=物語係

  • 価値が出る人:問いを立て直し、別解を提示し、物語で動かす人

  • 明日からのチェックリスト:

    • 会議の最初に「逆の問い」を1つ置く。

    • 企画は“小さく検証できる形”にして出す。

    • 発信は事実+自分の解釈+“なぜ今それを言うか”の物語で。


📊 追加データ(業界動向)

  • コンサルの新規案件減速:アクセンチュア、’25 Q3 新規受注▲6%($19.7B)。一次資料(決算PDF)。 (アクセンチュア ニュースルーム)

  • EYオセアニアコンサル収益▲10.3%、需要減速と大型投資の遅延が背景。 (The Australian)


🔗 参考リンク

  • ChatGPT流入増加とゼロクリック拡大(Similarweb分析)—TechCrunchまとめ。 (TechCrunch)

  • 「AIプラットフォームは流入を増やすが、検索減を埋め切れず」—DIGIDAY(日本語)。 (DIGIDAY[日本版])

  • Google公式:AI Overviews拡大。 (blog.google)

  • 任天堂の多角化と転換(玩具→電子玩具→ゲーム)。 (Business Insider, WIRED)

  • Airbnbの創業経緯(会議満室→自宅エアマット→需要検証)。 (Knowledge at Wharton)

  • 意思決定における感情の役割(ダマシオ/レビュー論文)。 (Frontiers)

  • 物語の説得効果(Kellogg/Northwestern研究)。 (spsp.org, pdarrington.net)


💬 Call to Action

  • ご感想・反論・補足データはコメント/メールで。特に「別解を生んだ問い」の実例を募集中。次回の深掘り回で紹介します。


※注:任天堂の“ラブホテル等”は歴史記事・回想ベースの情報も含み、諸説あります。ここではビジネス多角化→検証→転換という文脈で参照しています(一次準拠:BI/WIRED)。 (Business Insider, WIRED)

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