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生成AIの普及スピードが想定を超えるように成長する中、多くの投資家が「NVIDIA」以外の投資先を探しています。
AI時代を支える銘柄は、何もGPUメーカーだけではありません。AI関連のエコシステムを形成する企業は多数存在し、それぞれが高い成長ポテンシャルを秘めていると考えています。
今回はそんな“AIエコシステム銘柄”の中から、個人的に注目している光通信部品のLumentum(ルメンタム)とAIソフトウェア大手のPalantir(パランティア)に光を当ててみます。
どちらもAI時代に成長期待が見込まれますが、
どんなビジネスモデルなのか?
直近の株価は?業績は?
どれくらいの成長余地があるのか?
といった疑問を調査してみました。
結論からいうと、先日のDeepSeekショック時に、これら2つの銘柄は不合理な価格下落をしており、その市場の歪み(ゆがみ)を捉えることができなかったことを反省しています。
その時に知っていればよかった情報を調査したので、今後に活かすためにまとめます。読者の参考になれば嬉しいです。
ぼくのポートフォリオはざっくり、
投資信託:4
個別株:4
暗号資産:2(相場によってはもっと増える)
くらいの割合です。このうち、個別株に今回紹介する銘柄を含めるか本気で検討してます。
こういった情報に興味がある方が多ければ、読者の反応をみてまた取り上げたいと思います。
AI時代の有望銘柄は何か?「次のNVIDIA」を探る:LumentumとPalantir
Lumentum :AIインフラを支える光通信のキープレイヤー
ビジネスモデル
Lumentumは高速光通信デバイスや産業用レーザーの開発・製造を行うBtoB企業
クラウド事業者や通信機器メーカーに向けて、データセンター内外を高速に結ぶトランシーバーやレーザーチップを提供(つまり、AIデータセンターのGPUファーム内での通信に利用される)
近年はスマホ向け3Dセンサーなどの需要が伸び悩む一方、AIやクラウド用途での超高速通信という新たな巨大市場が立ち上がり、そちらへのシフトを加速している
直近の業績・株価動向
2024年度中盤までは在庫調整やスマホ需要減などで減収・赤字に陥りました。しかしAI特需が顕在化し始めた2024年後半からは新規受注が増加
2025年度第1四半期(2024年7-9月期)ではクラウド向け光通信事業が前期比で大きく伸び、Non-GAAPベースで黒字転換を果たす
業績悪化を織り込んで一時は40ドル近辺まで売り込まれたものの、AI需要による回復期待から2024年末以降に大きく反発
2025年1月には一時100ドル超まで上昇する場面があり、現在も80ドル台後半で推移

AI時代における成長余地
データセンター間では、大容量の学習データを素早くやり取りする高速ネットワークが必須
Lumentumは高速光通信のキーパーツを握っており、クラウド大手やサーバーメーカーに向けた製品を強化している
5Gや自動運転など、フォトニクス技術を要する分野は複数存在するため、AIインフラ拡張の波に乗れる可能性がある
Palantir:AIアプリケーションと意思決定支援のリーダー
ビジネスモデル
Palantirは、政府機関や民間企業向けに、データ統合・解析ソフトウェアを提供する企業
Gotham・Foundryなどのプラットフォーム上で、機密度の高いビッグデータを統合し、機械学習やAIを使って高度な分析・意思決定支援を行う
「AIP(Artificial Intelligence Platform)」という大規模言語モデル(LLM)との連携サービスを打ち出し、従来のデータ分析プラットフォームに生成AIを組み込むことで、現場部門がより直感的にAIを活用できるよう支援。政府、防衛、金融、医療など幅広い分野で導入が進んでいる
直近の業績・株価動向
2024年は売上・利益ともに予想を上回る水準で拡大
米国事業は前年比+40%超の伸びを示し、四半期ベースでのGAAP純利益も黒字を維持
通年でも黒字が定着しつつある
もともとは10ドル割れだった株価が、生成AIブームと黒字転換を材料に2023年後半から2024年にかけて2~3倍程度に急騰
2025年2月時点では15ドル前後を推移し、時価総額は300億ドルを超えてい
AI時代における成長余地
「AIを使ったデータ活用」に強みを持つパランティアは、政府機関や軍事分野などセキュリティ要件の厳しい領域で圧倒的実績を築いている
生成AIを組み合わせることで、現場で使いやすいAIソリューションを早い段階で確立し、攻めの企業顧客獲得が続いている
マイクロソフトやグーグルなど巨大テック企業との競合懸念はあるものの、ニッチながらも高付加価値なマーケットで先行者優位を確立していると見られる

競合他社・類似企業との比較
光通信分野: Lumentumと並ぶ大手としてCoherent(旧II-VI+Coherent統合)があります。Lumentumは業界シェア2位です。Coherentは規模や製品ラインナップの広さでは勝るものの、コストやスマホ向け不振の影響もあり、収益面で課題が残るといわれます。反面、Lumentumの方がAIインフラ需要に特化しやすく、機動力が期待されるとの見方も。
AIソフトウェア分野: Palantirのほか、企業向けのデータ統合やAI基盤ではSnowflakeやC3.aiなどが注目されています。Snowflakeはクラウド型データウェアハウスで圧倒的な顧客基盤を持つ一方、Palantirはよりカスタマイズ性が高く、米軍や政府機関での実運用実績が強みとなっています。
DeepSeekショックによる不合理な株価下落
先日このニュースレターでも紹介したDeepSeekショックでは、AI関連株を中心にハイテク銘柄が急落する場面がありました。
しかし、蓋を開けてみると株価は徐々に回復しており、ショックは一時的なものだったとする見方もでてきました(長期的にな影響はまだわかりません)。
このとき、NVIDIA株が下げたロジックは、
DeepSeekは米国の中国への輸出規制で最新のNVIDIAのGPUが使えず廉価版を使っていた
しかし、ChatGPTの高性能モデルと同等レベルの性能が出せた
であれば高価なGPUに投資する必要がないのでは?という疑問が生まれた
ということだった(DeepSeekが輸出規制をかいくぐって、実は高性能なGPUを輸入していたともいわれている)。
NVIDIAの株が下落したのは、リスク回避的行動にやや過剰反応だったという訳ですが、NVIDIAは高いバリエーションで過大評価されているといわれていたので心理は理解できます。
しかし、このとき、LumentumやPalantirも同じように株価が下落したことは不合理的でした。
Lumentumは、GPUでAIを高速にトレーニングを行う際には、データセンターで光トランシーバーが大量に必要になるのは明らかで、しかもDeepSeekもNVIDIAのGPUで計算をする必要がある。光トランシーバーは輸出規制の対象でもなく、米国も中国もAIへの開発が成長すれば、Lumentumにはポジティブな影響しかないはずです。
Palantirに関しては、生成AIを用いたビジネスソリューションへの投資が控えられることが一番の影響となりますが、DeepSeekショックは生成AIのトレーニングにおける技術手法の革新性にあり、その革新性はビジネスを加速させる要因です。したがって、こちらも不合理だったと思います。
ショックが起きていたときに、このような不合理性を見抜くことができなかったのは残念ですが、こういう市場の歪み(ゆがみ)には気付けるように今後もマーケットを調査し、ニュースレターで紹介したいと思います。
まとめ — 次のNVIDIAを探すうえでの視点
生成AIの爆発的な普及によって、AIインフラを支えるハードウェア企業や、AIを実ビジネスに落とし込むソフトウェア企業がますます脚光を浴びています。いわゆる「NVIDIA以外のAI関連株」に注目する際のポイントとしては、以下が挙げられます。
AIインフラ(ハードウェア)
GPUだけでなく、高速な光通信モジュールやネットワーク機器が不可欠。Lumentumはこの領域を支える代表的存在。需要が拡大すれば業績が急回復する可能性がある。
AI応用(ソフトウェア)
大規模モデルの開発だけではなく、実際の企業運用に適した“現場で使えるAIソリューション”が求められている。パランティアは軍事・政府案件で培ったノウハウを民間向けに展開しており、高い参入障壁を武器に成長中。
競合・バリュエーション
AI関連株は一時的なブームではなく、長期的な成長ストーリーを備えているかどうかが重要。既に株価に高い期待が織り込まれているケースも多いため、業績面や技術開発計画を細かく検証する必要がある。
株式市場には多種多様なAI関連銘柄が存在しますが、LumentumとPalantirはそれぞれ魅力を持っています。
現状のバリュエーションは高めに見える場面もありますが、短期的な変動に左右されず、中長期の成長可能性に注目することがポイントだと思います。
今後も四半期決算や新たなAIの動向を注視していくことで、次のNVIDIAと言えるような飛躍銘柄を掴むチャンスを探っていきます。
今回は異常です。
では、また👋